【movieTIPS-7】映像製作者のための著作権対応(音楽)・STEP1

そんなわけで、映画に関するTIPSとして私の経験をまとめてみました。

今回私が対応したのは主に「音楽」に関する著作権の処理です。

音楽の著作権といえば、大体の人は「JASRAC」の名前が思い
浮かぶことでしょう。
もちろん私もそうだったので、CDから使った音楽はJASRACに使用料を
払えばOKだ、くらいに思っていたのですが実際はそんなに簡単でも
なかったのが誤算でしたね…。

基本的な流れとしては

1.利用する音楽を整理する
2.各音楽の権利関係を確認・整理する
3.JASRACに利用申請を行う
4.利用許諾をもらう
5.必要な許諾表示をする
6.必要な料金を支払う

という具合なのですが、まあ実際にやってみるといろいろな
工程があるわけです。


さて、まずはSTEP1というわけで、自分の映画にどんな音楽をどれだけ
使ったか、というところの整理からスタートです。

私の場合は「楽曲」3曲、「効果音」7曲くらいでした。
申請にあたっては実際に曲を流す時間に応じて利用料が発生しますので、
どの曲を何分何秒使う、といったレベルで確認しておく必要があります。

さらに、それらの曲を市販のCDなどから取り込んで使う場合、
「カタログ番号」といわれるものも控えておかねばなりません。
(いわゆる製造番号、みたいなものでしょうか)

そんなわけで音楽の整理が終わったら即JASRACに申請!
と、いきたいところですがここで一つ目のハードルがあります。


それは「著作隣接権」に関する処理です。

なんじゃらほ??って感じなのでまずはウィキペディアを調べると…

〜著作隣接権とは〜
著作隣接権は著作権が対象としている著作物に密接に関連している
権利であり、財産権と人格権を含む。作曲家によって制作された
楽曲は著作物であり、著作者である作曲家は著作権を有しているが、
この楽曲を演奏する演奏者やそれを録音するレコード製作者、
コンサートを放送する放送事業者は、著作物の著作者ではないが、
著作物に密接に関わる活動を業としている。このような著作物の
利用者に発生する権利が著作隣接権として扱われる。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9#.E8.91.97.E4.BD.9C.E9.9A.A3.E6.8E.A5.E6.A8.A9


というわけでなんとも難しいですが、要は市販のCDに収録されている音楽を
映画に使う(複製する)ということは、CDを販売しているレコード会社の利益にも
関わることであるから、ちゃんと許可取ってね、というわけです。
その許可のことを「利用許諾」というのですが、JASRACに申請する前には
まずこの許諾をゲットするところからスタートになります。

次回へ続く。

【movieTIPS-6】あっち向いて、ホイも奥深い

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドです。

日本の伝統的な遊びの一つとして上下左右に首を振る
「あっち向いて、ホイ」がありますが映画の撮影においても
この上下左右の動きというのは基本的なエッセンスの一つとして
挙げられます。

一般には「パン」と「ティルト」と言います。

1.パンとは、カメラを横に動かすこと。

2.ティルトとは、カメラを上下に動かすこと。


実際の使い方とあわせて説明すると↓のような感じでしょうか。

ケース:はじめにAさんが写っている。画面外からBさんの
    声がして振り返ると、Bさんが部屋に入ってくる。
    (AさんからBさんの方向へパン)

パン


ケース:はじめにAさんが写っている。画面外からBさんの
    声がしてAさんが振り返る。
    しかしそれはBさんではなく、怪物だった?!
    (Bさんの足元から顔へ向けてティルト・アップ)

ティルト


「パン」は人物同士の位置関係や部屋の広さなどを表現する時には
効果的であると言えます。
一方「ティルト」は被写体を印象付けたい時などに効果的である、
ということが言えるでしょうか。

また上記のケースでは「パン」の場合は1カットで済むところを
「ティルト」の場合は2カットの構成となります。
わざわざカットを分けることによって、観客は前後のカットの
つながりを意識し、意味を見出そうとします
(MovieTips2:モンタージュの回)。
これにより「何か仕掛けがあるのかな」という期待を抱かせて場を
盛り上げる効果もあると言えそうですね。

逆に何も仕掛けがないと、「何もないんかい!」と
観客を怒らせることになります(笑)


ついでに応用技術として「パンフォーカス」といものもあります。
「フォーカス」とはつまりカメラの焦点のことですね。
焦点を当てる位置を、1カットの中で変えるという技法です。
(正確には「ディープフォーカス」というようですが)

以下のようなやり方で空間の奥行きを表現するのに使ったりします。

ケース:AさんとBさんが会話をしている。
    その様子を、Cさんが遠めに見ている。
    (最初はAさんとBさんにピントが合っていて、手前は
     ぼけているか、ほとんど見えない。
     次に手前のCさんにピントが合い、奥のA・Bさんはぼける。)

パンフォーカス


人間の目でも焦点をずらすということはできますが
普段あまり意識しない分、こういった映像表現で見せられると
「おおっ」というインパクトがあるんじゃないでしょうか。
「パン」と違って多用はしにくいかと思いますが
意味深で効果的な撮影手法ですね。


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回は知ったかぶりの撮影技法「クロースアップ」について
語りましょう。

【movieTIPS-5】映画ができるまで

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドです。

本来なら別の話題の予定でしたが、最近ホットな話題もあったので
ネタを変えてみました。

ホットな話題というのは、最近X-MENシリーズの最新作が
公開前にネット上に流出したという事件です。
ニュースによるとそれは未編集で、エフェクトも入っていない
ポストプロダクション前の映像である、という情報がありました。

・・・それっていったいどんな映像なのさ?って感じですが
映画全体の工程を知ればどれくらいのものか、ということが
おぼろげながら分かってくるかもしれません。

というわけで今日は、映画はどのように作られていくのかってことを
整理しておきましょう。


映画は下図に示すような流れで作られていきます。
とりあえずかなりバクッと分けてみましたが…。

映画制作のプロセス

「企画」では映画のテーマ・構想やストーリーが練られ、
スタッフ・キャストの決定や製作資金が調達されます。

「撮影」では企画に基づいて実際に映像が撮影されます。
スタジオやロケで、カメラを回して映像素材を撮るわけですね。

「編集」では撮影された映像素材が繋ぎ合わされたり、
CGなどの合成が行われたり、音楽がつけられたりします。

その後は試写や修正などが行われ、一本の作品が完成するわけです。
現実にはこのほかに宣伝が行われたり、上映館の選定など
様々な工程があります。


ここで「企画」のような「撮影」前に行われるパートを
「プリプロダクション」、「編集」のような「撮影」後に
行われるパートを「ポストプロダクション」と言います。

さしずめ実際に撮影するパートはプロダクション、と呼ばれる
感じでしょうか。
ちなみによく映画の冒頭で「○○PRODUCTION」とか出てくることが
ありますが、あれは○○プロダクションという会社が
撮影などを行ったよ、ということを示しています。
(補足すると、20世紀フォックスとかワーナーとかっていうのは
 簡単な解釈としては映画を作るのにお金を払った会社です)


さて、今回流出したX-MENはポストプロダクション前、とのことですから、
とりあえず撮影した映像を繋げてみた状態、って感じでしょうか。
合成やCG処理なども行われる前の状態であれば、
一応ストーリーは追えるけどSF映画としての醍醐味は味わえない
そっけないものでしょうね。

こういった流れも分かっておくとまた一層映画に対する理解が
深まる(?)のではないかと思います。

では、今日はこの辺で。。

NO MORE 映画泥棒。

これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

【movieTIPS-4】打ち上げ花火、上から撮るか、下から撮るか?

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドです。
表題は岩井俊二監督の某・有名な作品のタイトルをもじったものです。

長いこと更新してないといざ再開するにも勇気がいりますね。
なんと約1年ぶりの更新になります(苦笑)

はてさて、そういうわけでもう一度このカテゴリ:movieTIPSの
趣旨を説明しておくと、映画の技法(演出・撮影・編集技法)などを
知ることによってまた新しい角度から映画を楽しんでもらおうと
いうわけで、私がこれまで勉強、あるいは実際に映像制作する中で
培った“TIPS”を紹介していこうというものです。

よかったら第1回目からどうぞ。

第1回目:まずは映画の基本から
http://isproduction.dtiblog.com/blog-entry-49.html

第2回目:画は台詞ほどにモノを言う
http://isproduction.dtiblog.com/blog-entry-52.html

第3回目:サスペンスといえばコロンボ?
http://isproduction.dtiblog.com/blog-entry-63.html



さて、第4回目では撮影技法に入っていきましょう。

映像を作るときには必ず、「被写体をどう撮るか」という
ことを考えなければなりません。
これはすなわちカメラをどういう角度でどの高さに
据えて撮影するか、ということであります。

この際、大きなわけ方として
「俯瞰(ふかん)」か「仰角(ぎょうかく)」かの内のどちらかを
選ぶことが多いでしょう。

1.俯瞰とは、被写体に対して上方にカメラを置き、見下ろすように
  撮ること。(被写体の背景には地面などが写ることが多い)

2.仰角とは、被写体に対して下方にカメラを置き、見上げるように
  撮ること。(被写体の背景には空などが写ることが多い)

図にすると↓のような感じになりますね。

ふかんとぎょうかく

で、何?というご意見がそろそろ出そうですね。w
それでは「俯瞰」と「仰角」の使い分けについて、話を進めましょう。

まず「俯瞰」は、被写体の背景が地面となることが多く、
閉塞的な印象を観客に与えます。
手詰まり感や絶望感、地味とか現実的な、といったイメージを
表現するのに使えます。

次に「仰角」は、空を背景とすることが多く、
解放的な印象を観客に与えます。
希望や明るさ、未来といったようなイメージを表現するのに使えます。
ハリウッドの娯楽映画には仰角が多いのではないでしょうか。
(実際に数えたことはないですけど…)


やたらめったら「俯瞰」を使う監督として有名なのは
故・アンドレイ・タルコフスキー監督です。
オリジナル版の「惑星ソラリス」を撮った方ですが、
難解な映画で俯瞰を多用されると思わず眠気を…もよおすかどうかは
皆さんの目でお確かめください。

あと、ちょっと脱線しますがスティーブン・スピルバーグ監督は
普通の監督よりもやや低めの位置にカメラを据えることが多いようです。
これは「子供の視点を表現するため」だそうです。
子供好きの監督らしいやり方ですねぇ。


個人的には、渋い「俯瞰」の映像を撮れるような人間に
なりたいですね。(余談)


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回は撮影技法・「パンとティルト」について
語りましょう。

【movieTIPS-3】サスペンスといえばコロンボ?

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドへようこそ。
久々の更新ですね。w

さて、前回の「モンタージュ」編では、
映像を繋ぎ合わせることで意味が生まれることを
お話しました。
(第二回はこちら⇒http://isproduction.14.dtiblog.com/blog-entry-52.html

今回はより具体的かつ実践的なお話をしましょう。

映画のジャンルの中にはよく「アクション」とか
「サスペンス」
というものがあります。
多分これらは、アクションシーンが多いから、とか推理ものだから
くらいしか考えられずに分けられているのだと思いますが、
いわゆる映像論においては「アクション」と「サスペンス」には
明確な違いがあるのです。

まず「アクション」とは以下のような構成になっています。

アクションの構成

1カット目:AさんはBさんを探している。
2カット目:Aさんは隠れていたBさんを見つけた。


同じ状況が「サスペンス」では以下のように構成されます。

サスペンスの構成

1カット目:Bさんは隠れている。
2カット目:AさんはBさんを探している。
3カット目:AさんはBさんを見つけた。


Do you understand?


と、うっかり英語になってしまいましたが簡単には
「アクション」では順を追って結果が表されるのに対し、
「サスペンス」では結果を先に見せてそれに至る過程が表現されます。


例えば「古畑任三郎」とか「刑事コロンボ」では、
最初に犯人が登場して犯行を犯し、後から登場する刑事がそれを
推理していく流れとなっています。
あえて犯人をバラすことによって観客の注意を刑事の
推理に向け、謎を解いていく過程を楽しませることができるのです。

また最近話題になった「デスノート」では、警察やLに追い詰められていく
主人公・キラの構図が「サスペンス」になっており、
「見つかるかも」っていうドキドキ感・緊張感をあおっていますね。
観客は全てのネタを知っているので、「いつバレるのか」という
不安を常に背負うことになるわけです。

一方で激しいアクションシーンなんかには先の見えない
「アクション」の構成が効果的であったりします。


これらは実際の映画の中に必ずといっていいほど使われる技法ですので、
知っておいて損はないでしょう。


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回はちょっと趣向を変えて撮影技法・「俯瞰と仰角」について
語りましょう。

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Appendix

しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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