【movies】スカイ・クロラ

監督:押井守
声の出演:加瀬亮、菊池凛子、栗山千明、他

森博嗣氏の同名小説を映画化したアニメーション。

ショーとしての戦争が繰り広げられる世界。
そこには決して大人にならない“キルドレ”と呼ばれる
子供たちがいた。
戦争請負会社所属のパイロットである函南優一はある日、
前線基地へ配属となるのだが、彼にはそれまでの記憶がなかった…。


私にしては珍しく、原作小説を先に読みました。
まあ、押井氏が映画化するらしいので読んでみようと
思っただけなのですが…。

さて、まず感じたことといえば、小説より格段にわかりやすい!
というか、小説では結構ぼんやりした書き方だったのが、
押井的フィルターによってすごくわかりやすく解釈されて
映像化されている。

この作品、押井にしては…という意見もよくあると思うが、
実際、押井監督の優れているところが非常に良くわかる作品である。
そのくせ、サイバーパンクや犬の呪い的なものを背負っていないので
それなりに一般の人が観ても楽しめる作品だと思う。


そんなところで話を戻すと、製作記者会見などでも言っているように
“本作は若者たちに向けられたメッセージ”としてまとめられている。

永遠に大人にならない“キルドレ”という子供たちを主軸に、
彼らが成長していこうとする様が主要なテーマだと思う。
なんで子供は子供のままでいられないのか、あるいは大人になるとは
どういうことかという、誰もが一度は悩むような問題を
さらりと描いてみせたストーリーはなかなか良い出来でしょう。

特に、“絶対に勝てない”という設定の“ティーチャー”なる
パイロットの存在と主人公との関わりもきちっと整理されており、
ラストにアクセントの効いた構成となっている。
こういう盛り上がり方は、かつての押井作品にはなかった
もので、作家として心境の変化があったことが
垣間見えるところである。

“キルドレ”とはなにかという点についても微妙なほのめかし方を
しており、簡単に答えをしゃべってしまう近頃の映画とは
一味違う点もさすがの押井演出。

“例のじいさんより俺のほうが空中戦は上手い”と豪語する
アクションシーンも見ごたえあり、プロペラ機のこだわった
ディティールも魅力的。

ただ、全体としてはやはり悲壮感の漂う雰囲気であり、
エンターテインメントと言い切るには若干盛り上がりに欠ける
面はあると思われる。
それに最近の軽い映画に慣れた人が簡単に観て理解できるか、
という点も少し気になるところではある。


☆×3(5点満点中)

もう子供のままでいられないと悟った
お兄さん・お姉さんにお勧めですね。

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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