【movies】キングダム 見えざる敵

監督:ピーター・バーグ
出演:ジェイミー・フォックス、ジェニファー・ガーナー、他

社会派映画、のようにも見えるけど、実は結構
娯楽アクション映画だったりする。

サウジアラビアで在住アメリカ人を狙った爆破テロが発生。
事件ではFBIの捜査官も巻き添えとなり、アメリカに住む
同僚のフルーリーは現地での捜査を希望する。
しかしながら簡単には許可が降りず、苛立ちを募らせたフルーリーは
マスコミの友人に相談事を持ちかけるが…。

サウジアラビアが絶対君主国家であるとか、そういう設定が
この映画の根底にはあるのだが、結局のところはイスラムのテロと戦う
アメリカという構図に落ち着いてしまったところは残念か。

サウジアラビアでの捜査が簡単には許可されず、現地に着いてからも
思うように動けない中、泥臭い営みで捜査を進めていく様は単純な
アクション映画とは違って面白い点である。

また本作のアクションシーン、特にカーチェイスや終盤の銃撃戦は
方々で評価が高い。
そのあたりはその後「ハンコック」も手がけたピーター・バーグ監督の
手腕によるところも大きいだろう。
ハンディカメラで臨場感たっぷりの演出を見せてくれる。

というわけで、110分の物語はあっという間に過ぎ去っていくのだが
やや唐突な終わり方には少々賛否あるかもしれない。
確かにテロとの戦いは憎しみの連鎖でもあるのだけれど。。

アクションシーンがクローズアップされた分、重奏なテーマは
少しぼやけてしまったように感じた。


☆×3(5点満点中)

やや骨太な作品を観たい方にオススメ。

【movieTIPS-6】あっち向いて、ホイも奥深い

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドです。

日本の伝統的な遊びの一つとして上下左右に首を振る
「あっち向いて、ホイ」がありますが映画の撮影においても
この上下左右の動きというのは基本的なエッセンスの一つとして
挙げられます。

一般には「パン」と「ティルト」と言います。

1.パンとは、カメラを横に動かすこと。

2.ティルトとは、カメラを上下に動かすこと。


実際の使い方とあわせて説明すると↓のような感じでしょうか。

ケース:はじめにAさんが写っている。画面外からBさんの
    声がして振り返ると、Bさんが部屋に入ってくる。
    (AさんからBさんの方向へパン)

パン


ケース:はじめにAさんが写っている。画面外からBさんの
    声がしてAさんが振り返る。
    しかしそれはBさんではなく、怪物だった?!
    (Bさんの足元から顔へ向けてティルト・アップ)

ティルト


「パン」は人物同士の位置関係や部屋の広さなどを表現する時には
効果的であると言えます。
一方「ティルト」は被写体を印象付けたい時などに効果的である、
ということが言えるでしょうか。

また上記のケースでは「パン」の場合は1カットで済むところを
「ティルト」の場合は2カットの構成となります。
わざわざカットを分けることによって、観客は前後のカットの
つながりを意識し、意味を見出そうとします
(MovieTips2:モンタージュの回)。
これにより「何か仕掛けがあるのかな」という期待を抱かせて場を
盛り上げる効果もあると言えそうですね。

逆に何も仕掛けがないと、「何もないんかい!」と
観客を怒らせることになります(笑)


ついでに応用技術として「パンフォーカス」といものもあります。
「フォーカス」とはつまりカメラの焦点のことですね。
焦点を当てる位置を、1カットの中で変えるという技法です。
(正確には「ディープフォーカス」というようですが)

以下のようなやり方で空間の奥行きを表現するのに使ったりします。

ケース:AさんとBさんが会話をしている。
    その様子を、Cさんが遠めに見ている。
    (最初はAさんとBさんにピントが合っていて、手前は
     ぼけているか、ほとんど見えない。
     次に手前のCさんにピントが合い、奥のA・Bさんはぼける。)

パンフォーカス


人間の目でも焦点をずらすということはできますが
普段あまり意識しない分、こういった映像表現で見せられると
「おおっ」というインパクトがあるんじゃないでしょうか。
「パン」と違って多用はしにくいかと思いますが
意味深で効果的な撮影手法ですね。


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回は知ったかぶりの撮影技法「クロースアップ」について
語りましょう。

【news】District 9続報

先日ご紹介した、この夏注目のSF映画「District 9」ですが、
どうやらこの作品には元ネタがあるようです。

監督を務めるニール・ブロムガンプがかつて制作した
「Alive in Joberg(アライブ・イン・ヨハネスブルグ)」と
いう作品がそれで、なんでもエイリアンの難民が南アフリカに
住み着いた、という設定だそうです。

「District 9」も同様にエイリアンの難民が地球にやってきて
30年経った後の世界が舞台となっているらしく、
かつてない観点のSF映画となりそうです。

ちなみにYoutubeに置いてありましたので載せておきます。
全編約6分半ですが、すごく手作り感全開で結構見ちゃいます。
ドキュメンタリー風なところが、ニール監督の特徴なのだそうです。
楽しみですね。



余談ですが、ニール監督とピーター・ジャクソンのコンビは
某有名ゲームの映画化である実写版「HALO」を製作予定でしたが、
スタジオの問題などにより凍結(?)となってしまったようで
「District 9」を作ったようです。


【movies】スラムドッグ$ミリオネア

監督:ダニー・ボイル
出演:デーヴ・パテル、アニル・カプール、他

先のアカデミー賞で8冠に輝いた作品。
今更この作品を絶賛する必要があるだろうか。
だがやはり絶賛しよう。

スラムドッグミリオネア

ある夜、人気番組「クイズ$ミリオネア」に一人の青年が出場した。
スラム出身で仕事はコールセンターのお茶汲みだが、難問に
次々と正解し、ついにあと1問にまで辿り着く。
しかしそこで不正疑惑をかけられ、警察に身柄を拘束されてしまう。
拷問ともいえる取調べの中、それでも青年は無実を主張するのだが…。

この物語の結末は、はっきり言って観る前から分かっている。
だが始まった瞬間から、そんなことは忘れてしまう。
まさに圧倒的なパワーとテンポで疾走する様に、観客は
目を奪われてしまうことだろう。

監督は今なおコアなファンを持つ「トレインスポッティング」の
ダニー・ボイル。
まず、この映画における映像、音楽のセンスは飛びぬけている。
派手な特殊効果やCGなどまったくないのだが、とにかく
面白くて観てしまう。

物語の構成も実に巧みで、主人公のジャマールがどうやって
問題の答えとなる事柄を知ったのか?というのが導入部だが、
過去と未来の絡め方、さらにはヒロインのラティカとの
恋の行方(こっちが本筋)などとにかく飽きさせない、
ハラハラさせる盛りだくさんの展開。

舞台はインドのスラム街であり、冒頭、スラム街を子供たちが
駆け抜けるシーンからその街の描き方のリアリティも
ひしひしと伝わってくる。
2時間海外旅行したような気分にさせてくれること
請け合いである。

ダニー・ボイル監督はインタビューなどでも、ムンバイのスラム街には
生命力があふれている、ということを言っているが映画全体を
通して観るとその感覚が理解できる。
両親がいなくても子供たちは生きることをやめず、ゴミ溜めのような
世界でゴミをあさったり物乞いをしたり
怪しいガイドを装ったりしながらでも、とにかく生きる方向に
向いている姿勢がすごい。

そのあたり、何かと暗い話題の多い昨今の情勢を考えると
アカデミー賞で評価されたのもわかる気がする。

並みの伝記映画じゃとても敵わないような、まさに壮絶な半生。
人生の喜怒哀楽の全てが描かれていると言っても過言ではないだろう。
七転び八起きというか、山あり谷ありというか、ラストは
「そこでそうくるか」という仕掛けもあり、
もう観たら泣くしかないですよ、これは。

ホント出来過ぎ。でも素晴らしい。


☆×5(5点満点中)

ちなみに「PG12」の指定を受けているらしく、
若干ショッキングなカットがいくつかあるのでご注意されたし。

【movies】プレステージ

監督:クリストファー・ノーラン
出演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベイル、他

「メメント」で一気に地位を築いたクリストファー・ノーラン監督が
「バットマン・ビギンズ」の次に挑んだサスペンス。

19世紀のロンドン。
共に絶大な人気を誇るマジシャン、アンジャーとボーデン。
ある舞台でのマジックにおいて、アンジャーは水槽からの脱出に失敗して
溺死してしまう。
その翌日、ボーデンは殺人の罪で逮捕されるのだが、事件の裏には
壮大なトリックが仕組まれていたのだった…。

というわけで、二人のマジシャンがある日を境にいがみ合う仲となり、
お互いを妨害しながらついには…というストーリーライン。
見た感じ、すごく地味な映画じゃないかと思って長い間観るのを
ためらってました…(汗)

しかしながら、派手なトリックを打ち負かすためにもっと派手な
トリックを考えるというエンターテインメント業界の常に準じて、
次々と登場する仕掛けは観ていて面白い。

特に二人の風貌、性格の違いがマジックのタネの違いなどにもしっかりと
現れておりキャラクターのリアリティを感じる。
他のヒットムービーのような派手さは一見ないのだが、主役の二人の
対決にグイグイと引き込まれていく演出はさすが。

ラストに明らかになるオチはまあ、「そうきたか」的な感じもあるが
見抜けなかった自分が悔しい。w
後悔しないだけのクオリティはある作品。


☆×3(5点満点中)

ちなみにマジックの監修はデビッド・カッパーフィールドです。w

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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