【movies】パラダイス・ナウ

監督:ハニ・アブ・アサド
出演:カイス・ネシフ、アリ・スリマン、ルブナ・アザハル、他

当時のアカデミー賞で物議をかもした作品。

イスラエル、ヨルダン川西岸に暮らすサイードとハーレド。
自動車の修理工場で働く二人はある日、“殉教”の依頼を受ける。
ハーレドは乗り気であったが、サイードはまだ心の整理がつかずにいた。
しかし決行当日を迎え、二人はユダヤ人地区へ潜入しようとするが
手引きしてくれるはずの男に会うことができず、サイードは
一人はぐれてしまう…。

物議をかもすことになったのは、本作がいわゆる自爆テロを
賞賛するような内容だからだという。
確かに、ストーリーの大筋はサイードが次第に決心を固めていく
ところにある。
しかしながらこれを観る私たちは彼らと同じ立場ではないし、まして
観客であるならもっと違う見方もできるはずである。
だからこそ、テロの賞賛だなどと簡単に切り捨ててしまうのは早計だ。

無差別テロで罪もない人を殺すことは当然、許されない。
であるならば彼らが何故、それに至ったのかを考えねばならない。
この作品は意外にも、冷静な視点でそれを描いてみせる。
すなわち、すべての若者が抱えるであろう“自分探し”のひとつの“解”として
彼らには自爆テロという選択肢があったという、それだけのことという訳だ。
(もちろん、最初からそれを選んだわけではなく、組織の依頼として
 選ばされたのだが…)

簡単にこの映画を言い表すなら、ヨルダンに暮らす青年の成長譚である。
ただ、彼らの生活が私たちと異なっているのは、彼らの周りには
歴史に深く根ざした戦いが、今なお残っているということだ。
すべての自爆テロがこのような理由で実行されているわけでは
ないと思うが、戦う理由のない若者(私たちとほとんど変わらない)に、
安易に死という選択肢を与えうる点において、自爆テロの非道さを改めて
考えさせられる。

ちなみに本作の監督はパレスチナ人で、プロデューサーは
イスラエル人らしい。
普段、日本や欧米の映画ばかり観ていると、こういう映画で根底から
価値観を揺さぶられる。


☆×4(5点満点中)

しかしどうにも、登場人物の名前が覚えられなくて参りますね(苦笑)

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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