【movies】アンノウン

監督:サイモン・ブランド
出演:ジム・カヴィーゼル、グレッグ・キニア、他

倉庫のような場所。
ふと目を覚ます男。
ここはどこか、記憶にない。
見渡すと一人、倒れた男。
椅子に縛られた男。
手すりに手錠でつながれ、血を流している男…。
誰が誰なのかわからない。
一本の電話。
相手は不明。
どうやら、この中の誰かが犯人で、他の皆を誘拐・監禁しているらしい…。

「SAW」以降、どういうわけか定着しつつある
ソリッド・シチュエーション・スリラー。
極限状況下から始まる推理劇と心理戦。
与えられた僅かな情報から誰が犯人で、誰が人質かを
推理していくという構図。

予告編を見て気になっていたら、これはアタリ。

僅かな性格や考え方の違いから生まれる派閥や連帯感だとか、
いかにして人間関係を円滑に運びつつ自分は生き残るように
考えるかといったいろんな心理が見え隠れするのが面白い。
表層的な記憶(すなわち職業とか現状の姿)が各々の人間の
本質的な性格を映す鏡であるとも取れる脚本もなかなか考え深い。
ついでに俳優たちも日本ではあんまり知られていない人ばかりなので、
誰が生き残るんだか推測は難しく、純粋に先が読めない。

80%くらい観終わってだいたいこんなものかな、と状況が
整理されたところで訪れるどんでん返しはなかなか衝撃的。
「そう来たか」的なね。

この話を読みきった人はなかなかすごいと思う。


☆×4(5点満点中)

後日談も観てみたい。w

【movies】アース

監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド
声の出演:パトリック・スチュワート、渡辺謙(吹き替え版)

イギリス・BBCによる地球紀行。

北極圏から南極まで、四季折々の景色とそこに生きる
動物たちの姿が綴られる。

海に特化した「ディープブルー」と違って本作では北極グマからゾウ、
渡り鳥など多彩な地球の表情を見ることができる。
特に、水や食べ物を求めて何百、何千キロもの移動を繰り返す
巨大な群れの映像は圧巻だ。

デジタルサウンドでライオンの群れに囲まれたような音の
表現があったり、映画館ならではの趣向もあってなかなか
満足できる。
撮影された映像もどれも「さすが」と唸るようなものばかりで、
どうやって撮影したんだか是非聞きたい。w

全体の構成的には地球温暖化など環境問題に警鐘を
鳴らすようになっている。
特に北極グマの救い難さが際立つ。

たった一匹の獲物が捕れるか捕れないかが、彼らの生死を分ける。
それに比べて私たちが毎日、まずいだの量が多いだの言って
日々食事にありつけることはなんと素晴らしいのだろうか、そして
同時になんと愚かしいのだろうか。

この映画が彼らの最後の生きた証とならないように何をするべきか、
そろそろ考えなくても行動できるようになりたいものである。


☆×4(5点満点中)

渡辺謙のナレーションもなかなか聞きやすくてよかったですね。

【movieTIPS-3】サスペンスといえばコロンボ?

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドへようこそ。
久々の更新ですね。w

さて、前回の「モンタージュ」編では、
映像を繋ぎ合わせることで意味が生まれることを
お話しました。
(第二回はこちら⇒http://isproduction.14.dtiblog.com/blog-entry-52.html

今回はより具体的かつ実践的なお話をしましょう。

映画のジャンルの中にはよく「アクション」とか
「サスペンス」
というものがあります。
多分これらは、アクションシーンが多いから、とか推理ものだから
くらいしか考えられずに分けられているのだと思いますが、
いわゆる映像論においては「アクション」と「サスペンス」には
明確な違いがあるのです。

まず「アクション」とは以下のような構成になっています。

アクションの構成

1カット目:AさんはBさんを探している。
2カット目:Aさんは隠れていたBさんを見つけた。


同じ状況が「サスペンス」では以下のように構成されます。

サスペンスの構成

1カット目:Bさんは隠れている。
2カット目:AさんはBさんを探している。
3カット目:AさんはBさんを見つけた。


Do you understand?


と、うっかり英語になってしまいましたが簡単には
「アクション」では順を追って結果が表されるのに対し、
「サスペンス」では結果を先に見せてそれに至る過程が表現されます。


例えば「古畑任三郎」とか「刑事コロンボ」では、
最初に犯人が登場して犯行を犯し、後から登場する刑事がそれを
推理していく流れとなっています。
あえて犯人をバラすことによって観客の注意を刑事の
推理に向け、謎を解いていく過程を楽しませることができるのです。

また最近話題になった「デスノート」では、警察やLに追い詰められていく
主人公・キラの構図が「サスペンス」になっており、
「見つかるかも」っていうドキドキ感・緊張感をあおっていますね。
観客は全てのネタを知っているので、「いつバレるのか」という
不安を常に背負うことになるわけです。

一方で激しいアクションシーンなんかには先の見えない
「アクション」の構成が効果的であったりします。


これらは実際の映画の中に必ずといっていいほど使われる技法ですので、
知っておいて損はないでしょう。


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回はちょっと趣向を変えて撮影技法・「俯瞰と仰角」について
語りましょう。

【movies】ゾディアック

監督:デイビッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、   
   ロバート・ダウニーJr.、他

サンフランシスコである日、連続殺人事件が発生。
手がかりがないなか、ゾディアックと名乗る犯人が犯行声明を
新聞社に送りつけてきた。
その文章は暗号であったが、全文が掲載された新聞を読んだ
読者が解読する。
同じく新聞社で漫画を担当するグレイスミスもその暗号を解くのだが…。

次々と殺人を繰り返す謎の犯人・ゾディアックと、それに翻弄される
人々が描かれる。
監督は「セブン」、「ファイトクラブ」などで名をはせた
デイビッド・フィンチャー。
割りとファンキーでショッキングな映画を撮る印象があるが、
本作は予告編などを観て分かるとおり一変わった趣。

全編、フィルムノワールのごとき暗い色調が印象的。
特に霧に沈むゴールデンゲートブリッジのショットなど、
まったく先行きの見えない迷宮のようなビジュアルはなかなか
完成度が高い。
しかもそのクオリティが緩むことなくラストまで続いていく。
妥協のない緻密なサスペンスに仕上がっているといえる。
このあたり、さすがのフィンチャー節が生きている。

ストーリーも、出演者それぞれの個性が光っており、
重厚な推理小説を読むがごとき展開にはグイグイと引き込まれてしまう。
単純に数日、数週間で終わらず、何年もかかってようやく犯人へと
たどり着いていく過程や、年を経るごとに神経が磨り減り
人生が狂わされていく登場人物たちの様相などはリアルだといえる。
緻密な脚本を、観客に分かりやすく伝える演出の手腕、そして
俳優たちの演技がこの謎を、まるで生き物のように感じさせてくれる。

この作品は実際に起こった事件に基づいているが、
「未解決事件」であるという事実がさらに映画の余韻を
深いものにしている。

観終わって、「おぉ〜」という余韻が待っているだろう。


☆×4(5点満点中)

This is the ZODIAC speaking.

【movies】クルーシブル

監督:ニコラス・ハイトナー
出演:ウィノナ・ライダー、ダニエル・デイ・ルイス、他

実家に帰るとなにもかもやる気がなくなるので、
テレビとかビデオを見るとかしかしません。
そんなわけで観た映画。
(ちなみに帰省したのは正月なんですけどね。。)

私が中学〜高校時代に公開した映画ですが、
そういえば十数年も前の映画なんですよねぇ。
月日が経つのは早い。。。

17世紀後半、マサチューセッツ州の村・セイラム。
ある晩、村の娘たちが“おまじない”をするために村の近くの森に
集まっていた。
しかしその様子を牧師が目撃。
自分たちの行為を問われた娘たちが「悪魔のせいだ」と
言ったことから集会が開かれ、魔女裁判が開始される。
しかし、裁判はあらぬ方向へと進み、やがて村中を巻き込んでいく…。

最近見なくなったウィノナ・ライダーが主演。
男優ではダニエル・デイ・ルイスが渋い演技を見せている。

話の中心となるのは宗教と真実と社会制度。
宗教の教えに則って真実を捻じ曲げ、罪を素直に認めることで
社会的制裁は軽くなるが、果たしてそのようなことができるのか、と。

前半はこんなもんかなぁと思っていたが後半はなかなかに
引き込まれる。
キリスト教の教えというものが根深い社会ならではの視点で、
俳優らの演技が説得力を加えている。
迷信的なイメージに群集が誘導されていく様や、自分の親しい者たちが
次々と告発されていく(しかも、悪魔との契約という証明も
できないような罪によって)様子は分かりやすく考え深い。
もともと完璧ではない社会制度と宗教の持つ善悪観がほぼ同列に
扱われることによって人々の判断が狂い、狂気の連鎖という
最悪の事態に陥る流れがよく説明されていると思う。

特に、最終的に人物たちが認めるべき罪というものが、恥辱的というか
名誉に関わるものであるところが、判断を難しくしているポイント。
「それでもボクはやってない」じゃないけれど、思わず汚い言葉で
ののしりたくなってしまう。
自分が同じ状況ならどう答えるだろうか、あるいはどんな判断に
基づいて考えるべきかといったことを考えながら観れる。

なかなかの見応えのある良作と言える。


☆×3(5点満点中)

ウィノナのキレっぷりがまた見ものですよ。w

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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