【movieTIPS-2】画は台詞ほどにモノを言う

独断と偏見に基づく映画論・しまんちゅメソッドにようこそ。

前回は映画の構成要素である「カット」と「シーン」について
お話しました。
今回はその応用編である

「モンタージュ」


についてです。


映画でストーリーというと、とかく俳優の演技や台詞が思い浮かぶかも
しれないですが、実際に映画において多くを語る要素としては
映像と映像の繋ぎ合わせがあります。

例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

1カット目:何かを見ているAさんの画。
2カット目:皿に盛られた料理の画。
モンタージュの例

このように映像を見せられると、観客は
「Aさんは料理を食べたいのかな」、とか
「これから食べるのかな」といった「推測・解釈」をします。
これはつまり、わざわざ台詞を言わせなくてもストーリーが
説明できた(あるいは暗に示した)ことになります。
カットの繋ぎ合わせによってそこに意味を生み出す技法が
映画における「モンタージュ」というものです。

極論的には台詞のない映画、というのも作れることになりますね。
私が某大学で映像を習った時には北野武監督の
「あの夏、いちばん静かな海」という作品を紹介されましたが、
聴覚に障害のある男女が主人公であり、全編ほとんど台詞がないのに
ストーリーが理解できるのは「モンタージュ」が上手く使われているから
とも言えるでしょう。

他には殺人のような決定的なシーンをあえて見せず、
事を終えた後の人物に繋ぐことによって逆に不気味さを際立てたり
といった演出も考えられますね。

ともかく、映画というのは映像の組み合わせですから
合わせ方次第によって様々な意味を作っていくことができるわけです。


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回はさらなる応用編・「アクションとサスペンス」について
語りましょう。

【movies】美しい夏キリシマ

監督:黒木和雄
出演:柄本佑、原田芳雄、他

キリシマ(霧島)とは宮崎県南西部〜鹿児島県に
またがる地域をいいます。
温泉もあって星が綺麗で、よかとこです。
ちなみに国立公園です。もう一回行きたいなー。


舞台は1945年8月のキリシマ。
病気で自宅療養となり、徴兵を免れた日高康夫とその家族、
そして周囲の人々の姿が描かれる。

黒木和雄監督自身の戦争体験を映画化したのだそうです。
沖縄が連合軍に占領された後、広島・長崎への原爆投下と
同時期の宮崎は戦争の悲惨な爪あとからは少し離れた場所にあるような
気がします。
といいつつも本土決戦へ向けた訓練があったりとか、
親や兄弟が戦争へ行っていたり、死んでしまったりと
戦争の影がそこここに見え、現代とは違う空気感は感じる
ことが出来ます。
自分の実家の周りにもかつてはこんな風景があったのかなあ
などと思いを馳せながら。

しかしながら、キネマ旬報ベスト1になるなど、
多方面でかなり絶賛されているみたいだったので期待して観たわりには…
っていうのが個人的な感想でしょうか。。
中学生くらいの人間が戦争ってものをどのように割り切っていくのかって、
確かにすごく難しい問題ですし、戦時中ながら
初々しい青春の描写があったりと美しい夏の見所もあるのですが
全体的には結構淡々としている印象が強かったですねぇ。

カメラもずっと引きのまんまだし、実は群像劇ってこともあって
なかなか登場人物に感情移入していけないこともあり。。。
ひねくれ者の小生としては、もう少しひねった演出が欲しかったなと
感じました。


☆×2(5点満点中)

あと、声の細い柄本佑にどうしても馴染めない私でした。。。

【movies】ヒストリー・オブ・バイオレンス

監督:デイビッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、他

「ロード・オブ・ザ・リング」でアラゴルンを演じて以来、
なかなかいい作品にめぐり合えてない感のあるヴィゴ・モーテンセンが
本作の主役です。

妻と息子・娘と平穏な生活を送っていたトム・ストールだがある日、
自身の経営するレストランに強盗が現れる。
一瞬の隙をついて強盗の銃を奪い、見事に撃退して街のヒーローに
なるトムだがそれ以降、「彼の過去を知っている」という、
フォガティと名乗る謎のギャングが彼をつけまわすようになり…。

静かで平穏な日々に突如として現れる強烈なバイオレンス描写は、
デイビッド・クローネンバーグ監督の仕業。

まさに青天の霹靂。w


全編96分しかないはずなのに、2時間くらい観たんじゃねーかって
思うくらい、なかなか見応えはあります。(いや、ドラマの方がね)

ヴィゴをはじめ妻を演じたマリア・ベロや私がファンのエド・ハリスに
ウィリアム・ハートと、渋いところの俳優陣の好演が見所です。
この映画でアカデミー賞にノミネートされたウィリアムが一体どんな
演技をしてるのかと思ったら、登場シーンが10分そこそことは

何かの陰謀としか思えませんが、


ともかく彼の英語は聞き取りやすくていいです。w

さて、話の中心は主人公・トムの過去。
過去とは人にとってぬぐうことのできないものであります。
たとえどんな過去を背負っていたとして、どんな暴力をもって
それを清算しようとしたとして、過去は変わらないのであります。
でも、これからの人生を変えようと努力することはできるのだと、
この映画は静かに訴えている気がします。
意外にもしっかりと家族を描いているのは上手いです。
ラストシーンは、ちょっとした名シーンです。


☆×3(5点満点中)

ヴィゴが今後いい役に当たりますように。

【movieTIPS】まずは映画の基本から…

どもども。
新年の新しい取組みとして、映画をもっと楽しむためのTipsを
まとめていこうかな、と思って始まりましたこのカテゴリー。
独断と偏見に基づく映画論を展開していきます。

最初はまず映画を知る、ということで「映画の構成要素」あたりから
はじめていきましょう。

映画はまず、「シーン」というものの塊でできています。
さらにこの「シーン」を分解すると「カット」というさらに小さな
映像の塊となっています。(下図)

映画の構成

単純には、途切れることなく続く一つの映像が「カット」です。
「カット」と「カット」を繋げていくことで物語が語られます。
そしてある程度意味のあるまとまりを「シーン」というのです。
例えば「主人公の登場シーン」とか「ラストシーン」とかいった具合です。
「カット」を単語とすれば「シーン」が文、
映画全体がひとつの文章てところでしょうか。
どこまでを「1シーン」とするかについては物語の文脈から
判断することになります。
基本的に「シーン」の切り替わりでは「カット」が切り替わります。


全ての映画はこの、「カット」と「シーン」の組み合わせでできています。
作品によっては1カットのみで構成された映画もあります。
(大友克洋監督の「大砲の街」など)

短い「カット」をパパパッとつなぐととテンポの速い展開になり、
アクション映画の見せ場の演出などに向きます。
逆に長い「カット」はじっくりとドラマを見せるときに
使いたいところでしょうか。

盛り上がってほしいところなのに何かテンポが遅いなとか、
展開が速すぎてついていけないといったときはこのような
「カット」・「シーン」のバランスが悪いのかもしれませんね。
(実際は演技とか台詞とか複雑な要素がありますけど)


これを知れば映画がもっと面白くなる…かは定かではない!!

次回は応用編・「モンタージュ」について語りましょう。

【movies】クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

監督:原恵一
声の出演:矢島晶子、屋良有作、小林愛、他

相変わらず、というか期待以上の出来に、
お兄さんは大感激です。

ある日、野原一家は全員が同じ夢を見る。
それはきれいな池のほとりに立つ一人のおねいさんの夢だった。
その次の日、夢に触発されたのか庭を掘って
大きな穴を開けてしまうシロ。
みさえに怒られながら渋々穴を塞ごうとするしんのすけだが、
ふと、穴の底に文箱があるのを見つける。
それは天正2年にタイムスリップした自分が書いた手紙だった…。

というわけで、「オトナ帝国の逆襲」と人気を二分する

傑作中の傑作
です。

まことにアッパレで泣けてきます。

「オトナ〜」が割りと奇抜な設定だったのに対して今回は
スタンダード、というかストレートな展開。
しかしただ単純な映画で終わらないのがしんのすけの映画。
話の中心になっているのは又兵衛という侍と春日家の廉姫の恋物語。
戦国という時代柄、結ばれぬ二人の想いと迫り来る合戦。

「クレしん」ならではのキャラクターや笑いも見れるし
ドラマに関しても申し分なく、
さらっとしたやりとりの中に人物の感情の機微を表現し、
なおかつシンプルだが安っぽくない台詞でまとめるあたりは

もはや並みの映画ではない。


さすが文化庁メディア芸術祭アニメ部門大賞。
ラストの合戦シーンでもそのスケール感の表現やテンポなど
「うむむ」と思わされる。どこまでもあなどれん。

「野原一家、参る!」のシーンが、個人的には好きですね。w
王道的には又兵衛とのラストも捨てがたいです。

全体も90分とコンパクトにまとめられていて、
鮮やかに感動させられます。
原恵一監督はこの、ストーリーをまとめ上げる才能がすごいですね。
最近は「河童のクゥと夏休み」っていう映画を作ってますが、
機会あれば観てみたいですねぇ。

観てない人は、観るべきです。
それも直ちにね。

自分がいつかお父さんになったら、このDVDを子供に観せます。


☆×5(5点満点中)

おい、青空侍!

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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