【movies】手紙

小田和正の「言葉にできない」はホント、
曲だけで泣けますね。
未だに映画に使われたりする辺り曲の素晴らしさというか、
存在感を改めて認識させられます。


直貴は高校を卒業し、大学に行くのはやめにして働き始めた。
それは兄・剛志が強盗殺人を犯し、無期懲役で服役している
事実があるからだった。
人との関わりを避け、黙々と働く直貴だが、ふとしたことで
兄が服役していることは明るみに出てしまう。
そのたびに職を転々とするが、やはりどこまでいっても
最後にはすべて台無しになってしまい…。

というわけで、底なしに重い。
どれだけ成功しても絶対に幸せを掴めない主人公を演じるのは
「電車男」の山田孝之。
その、何ともいえない切なさと悔しさが滲む表情には胸が痛む。

話の中心はそんな弟と兄との手紙のやり取りである。

服役中の兄にとって手紙は心の支え。
両親がおらず、弟の学費を稼ぐために必死になってくれた
兄のために手紙を書き続けるのは至極当然のように思われる。
しかしそれでは、本当に兄が罪を償うことにはならない
というのがこの映画のミソ。

最後の手紙をしたためるところに本作のテーマが隠されている。
すなわち兄の犯した罪とは、彼の弟の人生さえも
狂わせてしまったこと。
血のつながったたった一人の肉親なのにそれさえも
断ち切らなければならないという決断。
その一方で、遺族に対して兄が出した最後の手紙が引き出した
「もう終りにしようと思います。」との台詞。
トレードオフといえばそうかも知れないが、傷の深さは
到底計り知れるものではない。
あまりに簡単に人が殺される現代において、これほど
罪の重さを描いた作品は珍しいんじゃないかと思う。
加害者側からの視点、というのが効いている気がする。

この結末を経て、二人がどのような人生を
辿るのかはわからない。
しかし安易にハッピーエンドとせず、浮き沈みを繰り返す
人生の一部としてまとめられた最後は感慨深い。
この傷が癒えることは永遠にないかもしれない。
でもそれは決して、生きることをやめる理由にはならない。
振り返ればこれほど絶望的な話において、自殺という言葉や
イメージがひとつも登場しないのはまた、大人な視点だな。


☆×5(5点満点中)

でも沢尻エリカの役どころはちょっと都合が良すぎる気も
するんですがね。

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しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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