【movies】インセプション

監督:クリストファー・ノーラン
出演:レオナルド・ディカプリオ、エレン・ペイジ、渡辺謙、他

約一年越しの期待を裏切らない、紛れもない快作。

コブが目覚めると、そこは見知らぬ海岸だった。
顔を上げると幼い子供が砂遊びをしている。
だが間もなくしてコブは再び意識を失ってしまう。
そして一人の日本人の兵士が彼を見つけ…。


観終わってこれほど疲れた映画は、振り替えれば
「メメント」以来かもしれない。

クリストファー・ノーラン監督といえば最近は
バットマンシリーズが記憶に新しい。
すっかり大作じみてしまった印象もなくはないのだが、
この作品を観るとやっぱりインディペンデント的な精神は
枯れていないのだなぁと思う。

近年、極めて斬新な作品と言えば「第九地区」が挙げられるが、
あれはなかなか資金集めに工夫を凝らしていて、一見すると
ハリウッド映画だが、実際はわりとホームメイド的な
製作体制であった。

しかしこの作品は違う。
ド、がつくほどのハリウッド映画なのだが、とんでもないほど
独創性に富んでいる。
ここまでやれるとなると、なんだか羨ましい。
まあ実際、エンターテインメント性はとてつもなく高い作品なので
スタジオ側は“売れる”と踏んだのもわかる気がしますが。

さて、基本的なストーリー構造としては、いわゆる
“夢泥棒”…というよりは産業スパイの話。
ある人の夢を複数人で共有できるというシステムによって
人の頭の中に潜入し、事業アイデアや企業秘密といったものを
盗むという仕組みである。

詳しい技術までは教えてくれないが、主人公のコブは
その道のプロで前科者。
愛する家族の待つ故郷には帰りたくても帰れない、
しかも奥さんとの“いざこざ”がことあるごとに
ついて回る、まあなかなか一筋縄でいかない男なわけである。

そんな彼に仕事を依頼するのがケン・ワタナベで、
その困難な仕事・“インセプション”に挑むために
特別チームを結成するわけだが、
これがまたクセ者ぞろいの役者ぞろい。
一人一人はあんまり知らない人だが、役のハマリっぷりは
申し分ない。

この作品の面白さはアイデア5割と、残りは彼らキャラクターの
配置・構成によるものじゃないかと思う。実際。

全体として、個人的にちょっと期待していた
夢に関する哲学的な講和みたいなものはほとんどなかったが、
ただ純粋に夢の中にダイビングしていく展開はスリリングで
かつスピード感もあり、まったく飽きさせない。
街を折りたたむような壮大なビジュアルももちろん驚愕モノだ。

“夢の中で眠ってさらに深い夢を見る”という仕組みでもって
3つの異なる舞台が展開するクライマックスでは、
頭がごちゃごちゃになってしまう方もいるかもしれない。
状況を整理しながら観ていくのは結構疲れるが、その辺は
2回目の楽しみとして取っておくのも楽しみ方のひとつかも。

話の整合性を一つ一つ追いかけていくのもパズルみたいで良い。
オリジナル映画でここまでやってのけたノーラン監督は、
いよいよハリウッド巨匠の仲間入りをしていくのだろうか。

こういう作品があると、ハリウッドのエンターテインメントも
まだまだバカにできないかもな、と思わされる。


☆×5(5点満点中)

せっかく採点基準変えたのに、やすやすとブチ抜かれた気がする。

【movies】踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!

監督:本広克行
出演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里、他

人気シリーズの第三作目。

湾岸署引っ越し4日前。
引っ越し対策本部長に任命された青島は、任務を完遂すべく
奮闘していた。
そんな折り、銀行の金庫が何者かに開けられるという事件の
通報がありすみれが出動するが、間もなく今度は
バスジャック事件発生の通報があり…。


主要キャストのいかりや長介氏が他界して以降はスピンオフが
メインであったが、この度満を持しての登場。
物語の中においても、青島巡査が係長に昇進していたり、わくさんの
甥っ子が新たに湾岸署に配属になるなど、月日の流れを
感じさせるような設定変更がなされている。

おそらくテーマとしても死を意識したものになっているのだが、
どうも全体を通して観た感じでは、前2作に比べて劣るなぁという
印象だろうか。

作品のテンポについては、相変わらずの手際のよさというか、
構成の上手さを感じるところである。
複数の事件が連続的に発生し、やがてそれらがクライマックスに
向かって一点に収束していくといういつものパターンに加えて
お決まりのキャスト陣による笑いのネタも豊富。
単純に楽しんで観る分にはある種十分かなという気も
しないでもない。

ただ、警察官僚組織と現場との対立を主軸としてきたこれまでに
比べると、今回のテーマはややライト(light)な感じが否めない。
なんとなく、これまでに築いてきたキャラクターを総動員して
過去の財産だけで一本作ってしまったという感じで、
どこかしら新鮮味に欠けるところもあるし、肝心の生と死の
問題についてもイマイチ踏み込めない感があったのが
残念だなあと思う。

新キャラとして登場してきた小栗旬はいい味を出しているし、
一作目でやや脇役的に登場してきた小泉今日子の存在感も
ハンパないのでそれなりの見所もあるのだが、
肝心の青島係長の活躍がいまひとつに感じてしまったのも
要因かもしれない。

でも日本のドラマ作品としては、非常にポジティブなイメージと
幅広い客層にウケるようなコンテンツである「踊る」シリーズには、
今後も是非続編を作っていってもらいたいものだと思う。


☆×2.5(5点満点中)

サクッと観たい人には十分楽しめるレベル。
※今回から0.5点刻みに変更します。

【movies】プレデターズ

監督:ニムロッド・アーントル
出演:エイドリアン・ブロディ、トファー・グレイス、他

確かリメイクではなく、“リブート”という作品。

気がつくと、ロイスは雲の中を落下していた。
眼下には広大なジャングル。
寸前でパラシュートが開き、どうにか着地したロイスだが次の瞬間、
見知らぬ男が隣に落ちてきて銃を突き付けられ…。


さて、「エイリアン」に触発されたか否かは不明ですが
複数形になって再登場の「プレデター」です。
ロバート・ロドリゲスばかりがピックアップされますが、彼は
プロデューサーで監督ではありません。
(まあ、ハリウッドではプロデューサーの方が偉いそうですが)

そんなわけで、“嫌な過去は忘れてもう一度スタートしようぜ”的な
リブート作品なわけですが、
なぜあれほど良く出来ていた「プレデター」をリブートする
必要があるのか、疑問のあるファンも多いことでしょう。
「インクレディブル・ハルク」に気を良くしたのか、
「スパイダーマン」を2回三部作化できるとか、
きっと儲かるから、というだけの理由が脳裏をよぎりますが
ファンとしてはただ良い作品を願うのみです。

そんなわけで、ややひょろっとしたエイドリアン・ブロディを
主役に迎えて心機一転、と思いきや
観た感じは結構原作を意識している…というか
もろに一作目をやりなおしているようなシーンがちらほらあったり、
音楽はモロに原作をアレンジしているし、
挙句の果てには“これって実は「プレデター2」の代わり?”と感じて
しまうようなネタが混じっていたり。

正直なところ、「プレデター」としてはちょっとガッカリです。

一方で、アクション映画としてはそれなりに面白いところは
あります。
全体のテンポもなかなかスムーズですし、
いろんな罠とか仕掛けもあって飽きさせない。
登場人物もクセのある人揃いで、
特にローレンス・フィッシュバーンの胡散臭さは
ハンパないです(笑)
もうなんていうか、ヒドい(爆)

ただ基本的に、まったく見ず知らずのメンバーと
ある日突然極限状況下に放り込まれるという、
近年流行の「CUBE」、「SAW」的ソリッドシチュエーションが
効いているので、一定の緊張感が保てているだけかも…と
いう気もしないでもないです。

個人的にはせっかく未知の惑星なんだから、
もっといろんな生物とか植物なんかを出してみてほしかったなあ
というのが残念なところであります。

で、気になるプレデターとの戦いについてですが、
うーん、やっぱり一作目みたいな独特の緊張感が
ないですねぇ。
屈強な男たちが罠を張って待ち構えるとか、
なんだかわからない敵が、実は木を伝って攻めてきているとか、
そういったシチュエーションにもっとこだわりが欲しかったです。

唐突に現れてあっという間に姿をさらけ出し、あっけなく一騎打ち
という状況はプレデターには向いてないですよ。w
主人公も、もっと見えないことに戸惑って欲しいのに。

そして極めつけは、“あの”殺陣!
いや、あれはちょっと残念すぎますわー。
「武士の一分」とか「たそがれ清兵衛」を見せて小一時間説明して
やりたいところである。

というわけで、いろんな意味で惜しい作品でした。


☆×2(5点満点中)

ちなみに、“あの骨”は今回もあったみたいですよ。

【movies】プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂

監督:マイク・ニューウェル
出演:ジェイク・ギレンホール、ジェマ・アータートン、他

ジェリー印のアクション・エンターテインメント。

古代ペルシャ帝国の王がある日、城下の市場に現れたとき
一人の少年が行列の前に飛び出してしまった。
兵士たちは少年を捕えようとするが、もう一人、勇敢な少年が
現れて兵士たちの前に立ちふさがる。
その姿に胸を打たれた王は少年を城へ連れ帰り、
そして、第三の王子が誕生したのであった…。


ペルシャといえばかのザック・スナイダー監督の「300」では
得体の知れない変人狂信者集団といった描かれ方だったが、
本作では主役というだけあってか非常に人道的で正義感に溢れた
描かれ方をしている。
映画が変われば描き方も変わるというか、ハリウッド的な
ご都合主義か…。

一方で地味に、今回の物語の発端となる事件が“武器の密造”
というあたりで意外にも中東・イラク戦争というキーワードを
意図しているのか?ということを感じさせたり、なんだか
不思議な雰囲気だなーと思いつつ…。

とはいえ、そんなことを言っても始まらない!

「ジャーヘッド」など、わりとナヨっとした役回りが多い印象を
受けるジェイク・ギレンホールが見事な肉体改造をして
ペルシャの王子を演じた本作は、いわずもがな
エンターテインメントだ。

かつて「カット・スロート・アイランド」というややマイナーな
海賊映画では“5分に一度罠がある”という宣伝文句が
つけられていたが、この作品については“5分に一度戦いがある”
というくらい戦いのシーンがてんこ盛りである。

その甲斐あってか?2時間手っ取り早く楽しむには丁度いい
出来栄えだ。w

物語の主軸は時の砂をめぐる陰謀と、父親殺しの汚名を
着せられた主人公・ダスタンの正義と信念の戦いである。
政治的な要素などは一切ないので軽く観れる内容。

ヒロインのお姫様に振り回されっぱなしという気もするのだが、
まあとにかくジェイクのヒーローっぷりは見所満載。
往年の某スティーブン・セガール氏を髣髴とさせるほど、
強い。wとにかく強い。
ヒーローにピンチはつきものだが、とにかくバッタバッタと
敵をなぎ倒す様は痛快。

名優ベン・キングスレーの怪しい悪役っぷりや
ところどころに入るコミカルな場面なども
さすがのディズニー映画。

ちなみにアクションシーンのカットの切り方がちょっと
多すぎるんじゃないかというのは、全体を通して
若干残念な点ではある。
もう少し引きで、長回しっぽい立ち回りがないと
“作り物”っぽい感じがしてしまう気がしないでもない。

そのほか正味、ストーリー的にはもう少し動機付けとか、
ダチョウのおっさんが仲間になるくだりとか
いまいちピンとこないところがあるのだが、
まあまあトータルではテンポも良く、誰でも楽しめる
仕上がりとなっている。

思ったほどヒットしてないような気もするが
果たして砂漠の王子様が次なる“海賊”になれるのか、
今後に注目だ。


☆×3(5点満点中)

そういえば本作はテレビゲームの映画化なのだが、
原作を知っておく必要は、特にないと思う。w

【movies】アリス・イン・ワンダーランド

監督:ティム・バートン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、他

大ヒット中とのことですが、皆さん観ましたか?

子供の頃、うさぎの穴に落ちたせいで悪夢を見るように
なった少女・アリス。
彼女のよき理解者であった父はその志半ばで亡くなってしまった。
ある日、貴族のパーティに招かれたアリスだが、“変わり者”の
アリスは周囲にはなじめない。
そして唐突に、しかも皆の見ている前で公開プロポーズを
受けることになるのだが…。


というわけで、本作はルイス・キャロルの描いたアリスのその後を
描いたファンタジー。
一応続編ということになるのだろうか?

ティム・バートンの作品を劇場で観たのは意外にも
「スリーピーホロウ」と「チャーリーとチョコレート工場」くらい
しかないので、ちょっと新鮮な感じ。
個人的には3D版チャーリー〜のような印象だったのだが、
蓋を開けてみると正味、それほどでも…という感想だろうか。

物語の基本軸は、変わり者のアリスが再び不思議の国にやってきて、
やがて一人の大人として自立していく(?)といったあたりを
描いているように思えるが、結構内容は薄い。w

トントン拍子に話が進むが、今ひとつ盛り上がりに欠けるというか
ラストに向けての達成感なども不足しているように感じた。
一番重要なアリスの描き方についても、なんかサラリとしているので
いまいち感情移入できずじまいだったなぁ。

まあ振り返ってみるとバートン監督初の3D映画という点と、
その奇想天外な世界観・映像美にはかなり力が入っているし、
ジョニー・デップやヘレナ・ボナム・カーターのぶっとんだ
キャラクター作りは見ごたえがある。

登場人物が全員変な上、“優れた人物は皆頭が変”という
妙に頭から離れないフレーズが連発されるあたり、
実はこっちがテーマだったのかもしれないというのは
深読みしすぎだろうか?
実は、表向きとは違う裏の意味がいろいろと込められて
いるような作品なのかもしれない。

そのあたりは、2回くらい観ればわかる…のか?


☆×2(5点満点中)

“カラス”と“書き物机”が似ているのは“Note”だからだそうです。

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Appendix

しまんちゅ

しまんちゅ

へこみやすい魚座、最近自分は天然かもしれないと思い始めたAB型。
寝ても覚めても映画に埋もれる日々が好きであります。
映画検定はまだまだ3級です。これからも頑張って勉強しようと思います。
その他、たまにロック、小説にふけり、思い立って旅行に行ったり写真など撮ってみたり。

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